Instagram運営の基本戦略と4つの重要指標を徹底解説!企業向け完全ガイド

ポートフォリオ

企業のマーケティング戦略において、Instagramの重要性はますます高まっています。日本国内で3,300万人のユーザーを誇り、83%が実際に購買行動を起こすこのプラットフォームは、強力なビジネスツールとして機能しています。

しかし「フォロワーが増えない」「投稿の反応が少ない」といった課題に直面している企業も少なくありません。成功するInstagram運用には、戦略的なアプローチが不可欠です。

本記事では、運用の価値から具体的な運営のコツ、重要な分析指標まで、効果的なアカウント運営に必要な要素を体系的に解説します。Instagram運用で確実に成果を上げるための実践的なノウハウをお伝えします。

Instagram運用の価値が高い理由

最近では、企業がマーケティング手段としてInstagramを導入する動きが盛んになっています。この背景には、美しい画像でブランドの魅力を伝えたり、バラエティ豊かな投稿でWebマガジンのような役割を果たしたりできるため、幅広いビジネス活用が可能だからです。

Instagramの現在の状況と今後の展望

Instagramは画像や映像の投稿に加えて、気軽にシェアできる「ストーリーズ」やライブ配信の「インスタライブ」といった、動画機能も豊富に備えて注目を浴びています。

特に日本国内では、ストーリーズの活用率が毎日利用するユーザーの7割を占めており、投稿件数は2017年から2019年にかけて20倍まで急激に伸びるほど、積極的に使われています。

さらに、現在Meta社が注力している機能であるリール動画の認知度や活用率も向上しており、ホーム画面にリール動画が表示される設計になるなど、短時間動画の利用も進んでいます。

まとめると、Instagramは次の要素から発展が見込めます。

  • ユーザー層の拡大:10代や20代だけでなく、30代や40代の活用率も上昇している
  • 機能の発展:ストーリーズやリール動画など、新たな機能の追加。特に10代から20代のストーリー視聴率が高い
  • 購入機能の充実:Instagramショッピングタグ機能の登場により、オンライン販売との連携が促進

企業・個人それぞれの活用によるメリット

Instagramアカウントの運営は、法人・個人を問わず関心を集めています。ブランドの発信内容はユーザーの視界に入りやすく、強いエンゲージメント(企業との関係性)を築ける可能性を持っているからです。

Instagramを導入することで、ビジネスと個人双方に大きな利益をもたらします。

ビジネスにおける活用メリット

Instagramは、企業のマーケティング施策において有効なツールになります。

魅力ある画像や映像、ストーリーズを使って、新商品やサービスの価値を効率的に伝えるといった、視覚に訴える力の強いコンテンツによって、ブランド認知度を高めることができます

さらに、コメントやDM機能を使うことで顧客と直接やり取りを行い、良い関係を築いて、ブランドへの愛着を深めることも実現できます。

Instagramの戦略を決める前に

Instagramの戦略を決める前に理解すべき重要なポイントをまとめると、以下の3つの観点から分析することが重要です。

現在の状況を理解する

Instagramは日本で3,300万人の月間アクティブユーザーを持つ巨大なプラットフォームです。特に注目すべきは、83%のユーザーがInstagram上で商品やサービス情報を見て実際に行動を起こしているという事実です。これは単なるSNSを超えて、消費者の購買行動に直接的な影響を与えるマーケティングチャネルとして機能していることを意味します。

また、日本のユーザーは世界平均の5倍もハッシュタグ検索を行うという特徴があり、積極的に情報収集ツールとして活用していることがわかります。

特徴を把握する

Instagramの最大の強みは、マーケティングファネル全体をカバーできる多機能性にあります。認知獲得から購入促進、顧客エンゲージメント向上まで、一つのプラットフォーム内で完結できます。

具体的には、リール投稿やインフルエンサーマーケティングによる認知拡大、ショップ機能やライブ配信による購入促進、ストーリーズやUGC活用による既存顧客との関係強化など、多様なアプローチが可能です。この包括性により、Instagramアカウント自体を自社メディア化することも実現できます。

他のSNSとの相違点

各SNSプラットフォームには独自の特徴があります。Xは高い拡散力と情報伝達の速さ、LINEは実際の人間関係に基づく高いリーチ率、YouTubeは動画コンテンツによる深い訴求力を持っています。

Instagramは視覚的コンテンツに特化し、興味・関心でつながるコミュニティ形成に優れています。また近年はTikTokなど新興プラットフォームも影響力を増しているため、各プラットフォームの特性を理解した上で、自社の目標に最適な組み合わせを見つけることが戦略策定の前提となります。

これらの理解を基に、自社のターゲット層や事業目標に応じたInstagram戦略を構築することで、効果的なマーケティング活動を展開できるでしょう。

Instagramアカウント運営のポイント(準備・設計編)

Instagramアカウントを運用しているものの、フォロワー数がなかなか増加しないとお悩みの方は少なくないでしょう。これから紹介する要点が実践できているか、ぜひチェックしてみてください。

まずは運営を開始する前の準備や設計に関するポイントをご紹介します。

運営の目標を明確にする

まずはInstagram運営の目標を言語化しましょう。

具体的には、ブランド認知度向上、ECサイトでの売上向上、実店舗への集客促進、問い合わせ件数の増加、採用活動の強化、既存顧客への能動的サポート、コミュニティの構築などが挙げられます。

目標によって、とるべき取り組みは大きく異なるので、事前に明確化しておきましょう。

KGI/KPI(目標指標)を設計する

計測可能な数値目標をKGI/KPIと言います。

アカウント運用の目標達成に向けて重要な指標を選定し、達成可能な数値目標を設定することが大切です。

アカウント運営のKGI/KPIの例は以下のような指標を設定することが多いです。

  • インプレッション数(リーチ数)
  • エンゲージメント数
  • フォロワー数

運営を開始していない段階だと、どの程度の反応があるのか見込みがつきづらく、具体的な目標数値設定が困難な場合もあります。厳密な目標数値の設定に時間をかけすぎず、暫定的な目標として設定しておくことをおすすめします。

アカウントのコンセプト設計を行う

アカウントのコンセプトを明確に設計した上で、闇雲な投稿を避け、コンセプトに基づいた投稿とコミュニケーションを実践することが重要です。

コンセプト設計で定義すべき基本項目は次の通りです。

・対象者(どのような層に向けたアカウントか?)

・提供価値(対象者にどのような価値を届けるか?)

・表現方法(どのような手法で伝達するか?)

対象者

対象者は企業の場合、ブランドの顧客層と重なることが一般的です。IInstagramでリーチしやすい20~30代層にフォーカスするパターンもよく見られます。このターゲットユーザー像が曖昧な状態では、投稿内容や表現方法がブレて噛み合わないアカウント運営になってしまう可能性があります。

提供価値

提供価値とは、ターゲットに設定した対象者がアカウントをフォローした際に獲得できる利益のことです。この利益が明瞭で、継続的な価値提供が可能なアカウントとなれば、フォロー獲得率の向上や、フォロワーの離脱率減少が期待できます。

提供する価値には大きく分けて、「有益性」と「エンタメ性」の2つが存在します。

有益性とは、役に立つ情報のことで、具体例として、コスメティック商品の使用方法や観光地の情報、新商品の紹介などが考えられます。

一方でエンタメ性とは、実用性はないものの、見ること自体が面白い、楽しいと感じられる情報を意味します。

あなたのアカウントの提供可能な価値が何であるか、言語化してみましょう。

表現方法

最終的な表現方法は、価値をどのような手段で伝達するかという点です。たとえば投稿企画の内容や投稿形式、写真・デザインのトーン&マナー、テキストのトーン&マナーなどを含みます。

このようなコンセプト設計により、運営担当者が交代してもブレることなく、一貫した運営を維持することが可能になります。

ビジュアルトンマナを設定する

投稿する写真や動画、デザイン制作におけるビジュアルトーン&マナーを策定しておきましょう。

撮影やデザイン制作の担当者が複数存在すると、ブランドとしてのビジュアル統一感が損なわれてしまうからです。

具体的には写真撮影時やロゴ使用時のガイドライン、フォント設定、カラー設定などのビジュアルアイデンティティを規定します。

プロフィールを作り込む

目標、KGI/KPI、コンセプト、ビジュアルトーン&マナーの策定が完了したら、実際にInstagramアカウントのプロフィール欄を充実させます。

プロフィールでアカウントの魅力やフォローする利点を十分に伝えられないと、個別投稿が拡散されてプロフィール閲覧者が増加してもフォロワー獲得に結びつきにくい、というケースも。

フォローしたくなるプロフィールをしっかり作り込んでおきましょう

また、企業がInstagramアカウントを運営する場合、ビジネスアカウントへの切り替えをおすすめしています。インサイト情報の確認や広告機能、ショッピング機能の活用が可能になります。

Instagramアカウント運営のポイント (分析で確認すべき4つの指標)

Instagramの成長には、単純に投稿を続けるだけでは不十分です。投稿データを分析し、今後の改善策を見つけ出さなければアカウントの成長は望めないでしょう。

そこでここでは、Instagram分析において注目すべき4つの重要指標をご紹介します。なおインサイトはプロアカウントでないと見られないので、登録していない方は以下の記事を参考にしてください。

保存率

保存率は、投稿閲覧者のうち保存を行った人の割合を表します。「保存数÷リーチ数」で算出され、2~3%が良好とされる指標です。

保存行動は、その投稿に魅力を感じた証拠と言えます。またInstagramは投稿閲覧時間の長さから親密度を判断するため、アルゴリズム観点でも重要な指標です。

保存率を高めるためには、以下のような取り組みを講じましょう。

  • 保存を誘導する画像の追加
  • 情報豊富なコンテンツの投稿
  • 簡潔な印象を与える工夫

文末に「気に入ったら保存してね!」「後で見返すなら保存が便利!」など、ユーザーの保存メリットを明示します。

なお保存率が2%に届かない場合は、投稿内容が需要に合っていない可能性が考えられます。もう一度コンセプトを見直してみてください。

ホーム率

ホーム率は、既存のフォロワーが投稿を見た割合であり、40から50%程度が目安です。

「ホーム数÷リーチ数」で計算できます。ホーム率の高さは親密度の高さを示すため、投稿の優先表示につながります。

この数値向上には、ユーザーとのコミュニケーションを心がけましょう。

  • いいねやコメントを行う
  • DMを返信する
  • ストーリーズで質問に回答する

特にストーリーズでの取り組みは効果的です。
信頼関係は一朝一夕で築けるものではないので、コツコツ継続しましょう。

プロフィールアクセス率

プロフィールアクセス率は、投稿を見たユーザーがプロフィールへ飛んだ割合であり、「プロフィールアクセス数÷リーチ数」で計算されます。3~5%が基準とされており、これを下回る場合はプロフィールへの導線を見直す必要があります。

アカウント成長には一定のフォロワー獲得が必要であり、そのためにはプロフィール訪問を促すことが重要です。

プロフィールアクセス率向上には、以下のような施策を実施しましょう。

  • 他の投稿に遷移させるような導線を作る
  • 次の投稿も楽しみだと思ってもらう
  • 他の投稿も見てみたいと思わせる

具体的には、商品のランキング紹介やシリーズ企画の展開などの手法があります。

フォロワー転換率

フォロワー転換率とは、プロフィールを訪れたユーザーがフォロワーになる割合を指す数値です。「フォロワー増加数÷プロフィールアクセス率」で計算でき、6から8%が目指すべき指標となっています。

フォロワー転換率は、フォロワー増加における最終的な重要指標です。この数値が低いとアカウント成長が停滞するため、成果につながるよう分析を行いましょう。

フォロワー転換率を伸ばすには、以下の方法が挙げられます。

  • ユーザーの課題を言語化して共感を得る
  • ハイライトに多様なコンテンツを配置する
  • プロフィールに明確なアクション(フォロー・ハイライト確認など)を設置する

今後のInstagram運営のトレンド予測

Instagramのアルゴリズムは常に変化しており、最新情報に精通しておくことが大切です。特に近年は、TikTokの急成長により、短時間動画コンテンツへのニーズが一層拡大しています。

Instagramのリールもこの潮流に乗っており、今後も短時間動画で視聴者を惹きつけるコンテンツ制作の重要性が高まります。

加えて、AIを活用したパーソナライゼーション技術も発展しており、ユーザーの関心事に合わせたコンテンツ提供の重要性がさらに増すでしょう。これに対応するため、ターゲットを明確にし、彼らに響くコンテンツ作りが求められます。

まとめ

Instagram運用の成功には、明確な目標設定と戦略的なアプローチが不可欠です。日本国内3,300万人のユーザーを持つこのプラットフォームでは、適切なコンセプト設計とビジュアルトンマナの統一により、ブランド認知から購入促進まで一貫したマーケティング効果を実現できます。保存率やホーム率などの重要指標を継続的に分析し、短尺動画コンテンツのトレンドに対応しながら、ユーザーとの関係構築を重視した運営を心がけることで、持続的な成長を達成できるでしょう。

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